Episode22:イノベーション事始め(4)〜みんなでやってみた!〜

たびたびここでも取り上げている「IMES(屋内GPS)」を利用したコンテンツ開発というJAXAとの共同開発プロジェクトですが、このコラムから飛び出して、先日「トークライブ」という形で出席者のみなさんと共に考え議論するという新しい試みにチャレンジしてみました。そのコンセプトなどは先週の堀口さんが書かれたコラムにて詳説していますので、こちらもご覧ください。

http://nankore2.dragon-labs.jp/archives/949

ご出席頂いた皆様には、この場を借りて改めて御礼申し上げます。日々このテーマでいろいろ考えていると、考え方がどうしても硬直化したり、方向性も狭まったりするものですが、先入観のない純粋でストレートな意見を数多く頂き、多くの気づきや発想を得ることができました。

懇親会場のオープンテラス(設営前)。セミナー開始前にここで1時間飲み会開催。

懇親会場のオープンテラス(設営前)。
セミナー開始前にここで1時間飲み会開催。

たった2時間ほど、それも初めて見るテーマで、イノベーションを再現して体感してもらうという、ありえないコンセプトで最初はどうなることかと、実はドキドキだったのですが、非常に活発な議論で様々な活用アイディアが出てきたのには私の方が正直オドロキでした。

会場は最上階。壁面にTwitterに投稿していただいたアイデアを映しながらディスカッション。

会場は最上階。壁面にTwitterに投稿していただいたアイデアを映しながらディスカッション。

ご出席された皆様のバックグラウンドが多彩な分、私が予想もしないアイディアも数多く出されました。ナビゲーションやマッピングなど「場所を知る」という基本的機能を拡張した案に始まり、お店やトイレの混み具合など設備情報と組み合わせたシステム、自分の移動ログを蓄積して嗜好に合ったレコメンドをしてくれるアプリ、工事現場などの安全管理に使う案、豪華客船のナビには?・・・・などなど。これだけ使って頂ければ、IMESも生活には無くてはならないインフラにスグにもなりそうな勢いです。

でも実際、そうはならない、ですね。
使う人だけいてもダメで、サービスを提供する側の事情、モノを作る立場の理屈、水平展開するための様々な仕組み・・・などいろいろ制約要素がこの実現を阻む高い壁になります。「使えるスマホはどの種類?」「え~、有料サービスなの!?」「ここじゃ使えない!?」といった具合のよくある話。ここの仕組み作りが一番体力と知力、忍耐力が必要な部分で、「実証実験」などと称していろいろやってみるのですが、win-win situation を構築できないところでそのアイディアは息絶えてしまう・・・。

そうならないためには?

人によって様々だと思いますが、私の場合は、「体力」と「自分の思いを信じる力」、いわゆる気合い論になってしまうかな?と思います。

私も北海道の一エンジニア、もっと言えばタダの会社員なので、「今はJAXAと共同研究などしているからいろいろやっているけど、まぁそこまでだろう?」と思われるかもしれません。

しかし、(ちょっと大げさかもしれませんが)、私はこの屋内測位という技術が、近い将来世界の数多(あまた)で使われることを固く信じています。誰もが当たり前に地下街でGoogle Mapを開き、屋内測位信号を知らず知らずに受信して、行きたい場所を探している、今のWiFiステーションのように、普通にIMES送信機が置いてあっていろいろな情報を取ることができる、そんな世の中になっているだろうと思います。

先日のトークライブの中で、その思いがどこまで出席されたみなさんに感じて頂けたかはわかりませんが、そういう子供みたいな無邪気で一途な思いが、イノベーションの一番のエンジンではないかと思います。

ちなみに、トークライブ”オープンイノベーションの笑劇”には第2幕があります。次は”夢を形に”と題して、前回の思いつきから一歩進めてIMES実用化プランのプレゼンテーション大会です。
8月8日に13:00~16:00、丸の内の帝国劇場(のすぐそば)です。世界をひっくり返すプランが飛び出すかもしれません。よかったら見物に来てください。
http://dragon-labs.jp/drp/node/72

しかし、子供のような心を持ってと言っても、これは遊びではなく「仕事」ですから「いや~、ダメでしたね!」というワケにはいきません。

前回のコラムにも書いたとおり、スタートアップやイノベーティブなチャレンジには「失敗」がつきものです。私も会社人生の半分以上を技術開発の仕事に費やしてきましたが、そのときの上司が我々部下に求めることは、

「成功以外、ありえない。」

という言葉。先週、私が研究員を務める慶應義塾大学の学生にこのことをお話したら、まさに「じぇじぇじぇ!(+苦笑)」という反応でした(笑)。「チョー厳しい!」と思われるかもしれませんが、その上司曰く、「我々の仕事は、一度でも失敗すれば、それだけで新車両、新技術の導入が遅れる。だから議論を尽くす。成功以外はない!」からなのです。一方で、一発で上手くいくわけでは決してないわけですから、議論を尽くす(=話してナンボ(Episode19))ことで、失敗を乗り越えていくことが大切です。

これまで、「イノベーション事始め」と題して4回に渡って、自分流のイノベーションについて思うところをお話してきました。自分としては「イノベーション」をしているという自覚も実感もなく、ただ目の前の仕事に没頭しているだけなのですが、このコラムの感想を頂いたり、トークライブで参加者の皆様からのお話をお伺いしたりする中で、私が勉強になることも多くありました。

みなさんの周りにも仕事やプライベートを含めて、いろいろな「可能性」がそこらじゅうに転がっているのは間違いありません。その「可能性」が見えると、その先に別のいろいろな面白い展開が待っています。皆さんもイノベーションの種を見つけて、ぜひチャレンジしてみてください。

ということで、イノベーションの話はこれくらいで。
暑さ厳しい折ですが、皆様どうぞご自愛ください。
北海道は最高気温も30℃に届かない程度です。夏休みにはぜひ北海道へ!(笑)

涼しい大地北海道へ、お待ちしていま〜す。

涼しい大地北海道へ、お待ちしていま〜す。

P.S. 前回のトークライブで皆さんからコラムに関するご感想やご意見を頂戴しました。ありがとうございます。もしご意見やご質問などありましたら、shikimura@dragon-labs.jpまでお気軽にどうぞ。

 

ブログ執筆者執筆者:Asoo

北海道にて技術屋稼業もはや15年。鉄道システムエンジニアとして、もう少しで一人前と認められるかな?というところで、数々の壁にぶち当たり、試行錯誤を繰り返し五里霧中の日々を送る。仕事では、” Think globally, Act locally ! ” を信条としながらも、時には北海道のゆったりした空気に身を任せて「明日は明日の風が吹く」と自然体を大切にする。この「ゆるさ」が醸し出す雰囲気が、どうも私の特徴のようだ。結構切羽詰まっていながら、このように日々のほほんと過ごしている私の、鼻歌みたいな独り言をお送りします。

 

シリーズ : Let tomorrow take care of itself ! (明日は明日の風が吹く!) 記事一覧へ

 


カテゴリー: Let tomorrow take care of itself ! (明日は明日の風が吹く!) パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です