Episode18:今後の「宇宙人」の育て方?

こんにちは、Asooです。

3月といえば、卒業の季節・・・なのですが、我々にとっては決算月ということで、年度末の騒々しさといえば、年末の比ではなく一年のしわ寄せを一気にFIXする季節でハードワークが続いています。

3月になりましたが雪に覆われ、まだ春が遠い札幌です。

3月になりましたが雪に覆われ、まだ春が遠い札幌です。

一方で、この一年間に実施した仕事をそれぞれ総括して、次年度に向けてどう展開していくか、または新年度に新しく立ち上げる取り組みをどう進めていくかという話もたくさんあります。今日はそんな話の中から、少し変わった(?)人材育成の新しい取り組みのお話をしたいと思います。

 

本日のテーマは、当然「火星で捕まえた宇宙人の養育方法」を考える取り組み・・・ではありません!
先日東京で「宇宙インフラの利活用人材育成 大学連携国際教育プログラム」を考える国際シンポジウムがあり、私も産業界の立場で、その末席に加えていただきました。

http://calgary.csis.u-tokyo.ac.jp/seminar_2013-03-04.html
https://www.facebook.com/pages/Gestiss/489303041117046

 

これは、気象観測やリモートセンシング、通信、測位といった目的で様々な衛星から得られた情報を、私たちは毎日何気なく使っていますが、今後さらに高度利用化する宇宙インフラを、各分野・各産業で使っていくために、利用側のグランドデザインができ、調整していきながら実現していく「エンジニアリング・デザイナー」をどう育成するかという、スケールの大きなテーマです。

シンポジウムの様子です。産学官各界から100名以上が集まりました。

シンポジウムの様子です。産学官各界から100名以上が集まりました。

本来大学は、特に宇宙関係は研究職が多いので、宇宙工学、データ解析や通信技術など各分野の専門家を育成するというのが基軸であり、この技術を生かしつつ、様々な公共・社会サービスと連携するための専門家を育成するには、他との補完や連携が必要だという問題意識があって、テーマや教材、教育環境について様々な意見や提案が交わされました。(5時間も!!)

大学の中で、総合的な知識を積んで、実地ベースのケース学習をし、インターンシップなどを通じて現場感覚を身につけさせる・・・などなど、確かに必要な要素だと思います。

では私はその場で何を話したかというと?
ちょっと偉そうな言い方になってしまいますが、自分のこれまでの経験から、以下の3点をプログラムへの要望としてお話しました。

 

まずは、総合的知識より基礎学力をしっかりというお願い。

新しい仕組みや方法をやって見ようという場合、たいてい初期のどこかでつまずいて、行き詰まることが多々あります。新しいといっても、オールニューかというとそうでもなく、既存のモノやシステムの組み合わせ方がニューなのであって、ここの境界領域が未知の部分になります。従って実際には、特に技術的解決を図ろうとする場合は、何度も繰り返しデータを取り、それを分析していくことが必要であって、数学や物理・化学、統計など自然科学系の知識がものを言います。未知な境界領域の問題解決の視点は、基本は定量的に、総合して定性的にモノやコトを見ることができるかであり、総合的知識も必要ですが、基礎知識の充実が大切だと思います。

 

二つ目は、システムは「エンドユーザー」という視点をベースに考えてほしいということ。

新しいシステムやプロジェクトの「実証試験」というのをよく見聞きします。「実証」すれば確かに目的は達成されますが、多くの場合それがあまり定着した例を見たことがありません。モノを作る立場の人がパッケージで現地に持ってきて、たった数日試験をしてそこで終わってしまうというのが、典型的に残念なパターンです。

使う側の人たちの立場、例えば詳細なユーザビリティや、システムやコンテンツが現地利用者の(やや低い)リテラシーで持続的に維持できるかという視点が薄いと感じています。使用する端末や機器の汎用性などがほぼ無視されて、「やりました!」という報告だけがぽんと出てくることが多いような気がします。

自分が進めているプロジェクトも、安易にそういう方向に行かないよう、参加している人たちで標準的なプラットフォームを作り出し、オープンにした条件で誰でもシステムやアプリケーションを展開できることを目的にしています。

どうしても開発側の気持ちとして、人より早く得た知見は独占したいという気持ちになりますが、それは「今だけ、ココだけ」のものにしかならず、広く普及するものに成長しません。インフラをベースとしたシステムは「エンドユーザー」のためであるということを根っこにおいてシステムを学んでほしいと思います。

 

最後三つ目は、仕組みだけでなく、仕掛けをどうするかを考えてこそ、エンジニアリング・デザイナーではないだろうか?ということです。

今回の教育プログラムにも「現場」の重要性が謳われています。学生や若手技術者がそういう場を早く経験することが大切だと思います。しかしそうそう上手く転がすのも難しく、といって簡単にしてしまってはこれもあまり意味がない・・・。「できたかできなかったか」という結果より「プロセス」重視で考えるべきでしょう。

私も一つのプロジェクトを始めるときは、「安く、早く、大きく、変化のある形」を目標にプロセスを考えます。世の中のスピードも恐ろしく速いし、成功のインパクトも欲しいが、失敗したときのロスも最小にしたいとの思いからです。期限までにできればよい、決めたものができたりできなかったりということに一喜一憂するより、同じコトをやるならばいろいろ工夫を考え、後でフィードバックできるようになると、よりチャレンジングな姿勢が身につくと思います。

これを読んでいただいて、「そうだそうだ」「それは違うだろ」、いろいろな意見があると思います。Dragonの大きなテーマでもあるイノベーションやそれを推進する人材育成というのは、難しく、また答えが一つというものでもありません。またこの課題については、リアルな場で皆さんのいろいろな経験や知見に基づく議論が何度かできればと思っています。

ではまた来月。

 

ブログ執筆者執筆者:Asoo

北海道にて技術屋稼業もはや15年。鉄道システムエンジニアとして、もう少しで一人前と認められるかな?というところで、数々の壁にぶち当たり、試行錯誤を繰り返し五里霧中の日々を送る。仕事では、” Think globally, Act locally ! ” を信条としながらも、時には北海道のゆったりした空気に身を任せて「明日は明日の風が吹く」と自然体を大切にする。この「ゆるさ」が醸し出す雰囲気が、どうも私の特徴のようだ。結構切羽詰まっていながら、このように日々のほほんと過ごしている私の、鼻歌みたいな独り言をお送りします。

 

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Episode18:今後の「宇宙人」の育て方? への1件のフィードバック

  1. ゴヤール 公式 のコメント:

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