Episode17:ちょっぴり感動と安堵の一週間でした。

こんにちは、Asooです。

今週は月曜からずっと東京にいます。JAXAとの共同研究開発プロジェクトも、始動からあっという間に一年がたち、そのまとめとして公開のデモンストレーションや、関係するコンソーシアムでの講演などを慌しくこなしてきました。

いま僕等が取り組んでいるのは「IMES(Indoor MEssaging System:屋内測位システム)」という、最近JAXAが開発した技術。従来のGPSがカバーできなかった屋内や地下でGPSとして使える新しい技術です。(下図参照)
これを近い将来、皆さんのスマートフォンや携帯電話でごくごく普通に使えるようにするための基礎的な研究開発を行っています。

IMES(Indoor MEssaging System:屋内測位システム)

なぜ鉄道屋のしかも北海道に住む私がこのプロジェクトをやっているかって?

もちろん北海道の駅や自社施設で展開したいという思いはありますが、それ以上に「屋内測位」という技術に魅力を直感的に感じたからに他なりません。たぶんもう3~4年もするとこの技術は当たり前のように暮らしの中に溶け込んでいく技術だといわれています。

国策の技術開発は、ハード先行で「ハコモノ」をドン!と作って、「作るものを作ったからあとはどう使うか考えてよ!」という雰囲気のものが多いので(あくまでも私の個人的な印象ですが!)、ニーズからくるものではない以上、なかなか良い使い道を見つけるのに時間と手間がかかり、世にブレイクするものがなかなか作れない例が多いものです。僕等は基礎開発能力こそ研究機関のようにないものの、広大なフィールドを持っているので、実証評価は得意分野。

そこでJAXAと組んで、メーカーや大学、コンテンツ開発各分野のエキスパートを集めてチームを作り、この一年間IMESを利用した技術の完成とコンテンツ開発に取り組んできました。

鉄道博物館での実験の様子

鉄道博物館での実験の様子

このコラムでも以前書きましたが、チーム結成当初は、この技術がまだ開発中というフェーズで競合他社の混成チームだったので、なかなか情報を開示してくれなかったり、自分たちの方向性に合わないところはあまり協力的でなかったりと、なかなか話が前に進まなかったのですが、秋から見切り発車的にフィールド(鉄道博物館)での実験を始めると少しずつ雰囲気は変わってきます。最初は実験エリアも完全に別々でしたが、やはり「となりの芝」は気になるのか、他社間の会話も増えてきます。

一度メンバーに私の「ホーム」である札幌にも来てもらい、僕の測位技術に賭ける思いなんかもぶつけて見て、やはり「思い」が重なってくると、集団の持つパワーは1+1=2という域を超えて大きくなってくるものですね。

今週12日には、鉄道博物館で中間成果発表のデモンストレーションを行いました。せっかく良いものを作っても広く認知してもらわなくては意味がありません。といって、明日からすぐ販売できるような代物でもないので、まず誰に見てもらえば良いかを考えます。

「屋内測位技術が完成したらつかってくれそうな業界?」
「そうだね。IMESのことを知らない人は特にいいね。」
「IMESは知っているけど、あんまり期待していない人?」
「ちょっと今のレベルではチャレンジだけど、行こう行こう。」

ということで、鉄道関係、メディア・コンテンツ系、メーカー・宇宙技術関係、研究機関など各方面の方をお招きすることになりました。

予算も少なく時間もない中で、いかにコンパクトにわかりやすく、インパクトがあって面白いものをデモに織り込めるか、IMESを知らない人も熟知している人も「う~む」と唸るものを見せられるか?ずいぶん試行錯誤しました。

また、開発ストーリーではありがちな話ではありますが(笑)、先週のリハーサルでは、IMES測位そのものが、上手く機能しない状況に陥り、結局デモ前日の11日(祝日)も博物館閉館後に再度試験を行う事態となりました。

せっかくのデモンストレーションも、不具合が一つでもあれば、デモ効果は反転し「ネガティブキャンペーン」になりかねません。みな必死です。
デモ開始の12時間前(前日夜)に、IMES測位・コンテンツソフトが何とか完成し、デモ本番では何のトラブルもなく無事終了。ゲストの皆様の多くはIMESへの期待を感じていただけたようで、とりあえず目的は達成することができ「ほっ」としています。

デモの様子(鉄道博物館)

デモの様子(鉄道博物館)

デモの様子(鉄道博物館)

デモの様子(鉄道博物館)

またIMESの普及展開に向けて、ひとつ輪を広げるところまでは来ました。
このちょっぴりの達成感というか、メンバーのみんなとの共有感というか、一瞬感じる満足感が、この仕事がやめられない技術屋冥利に尽きるところです。

来年度は、皆さんが目にするメディアまで届くところまで、インパクトのある技術に育てていけるかどうか?まだまだ道は遥かに遠く続いていきます。

が、その前に、JAXAのこの一年間の活動成果の審査があります・・・。
まずこれをクリアしなければ先がありません。今度は私がメンバーの皆さんのために頑張る番です。

来月の今頃には結果が出ていると思うので・・・。
どうなりますか?乞うご期待!!

 

ブログ執筆者執筆者:Asoo

北海道にて技術屋稼業もはや15年。鉄道システムエンジニアとして、もう少しで一人前と認められるかな?というところで、数々の壁にぶち当たり、試行錯誤を繰り返し五里霧中の日々を送る。仕事では、” Think globally, Act locally ! ” を信条としながらも、時には北海道のゆったりした空気に身を任せて「明日は明日の風が吹く」と自然体を大切にする。この「ゆるさ」が醸し出す雰囲気が、どうも私の特徴のようだ。結構切羽詰まっていながら、このように日々のほほんと過ごしている私の、鼻歌みたいな独り言をお送りします。

 

シリーズ : Let tomorrow take care of itself ! (明日は明日の風が吹く!) 記事一覧へ

 


カテゴリー: Let tomorrow take care of itself ! (明日は明日の風が吹く!) パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です