Episode15:人生“初”の国際会議。

早いもので、もう今年も残すところ10日余りとなりました。お付き合いのある会社の営業の方が来年のカレンダーと手帳を持ってご挨拶にいらっしゃる姿を見ると、「やばっ!」と急に焦りとプレッシャーを覚える今日この頃です。

今年の札幌は初雪がとても遅かったのですが、12月に入ると降る雪の量が半端なく、あっという間に88cmの積雪になりました。これは平年の4倍に当たるそうで、除雪も全然追いつかず、道路も実質一車線減となってしまい、札幌の街中は慢性的な車の渋滞が続いています。

12/20の札幌中心部。歩道も幅は1mほど・・・。

12/20の札幌中心部。歩道も幅は1mほど・・・。

やはり最近の気象は何かがオカシイ?と思いますが、皆さんお住まいの地域はどんな師走の風景なのでしょうね。

先週、この寒い札幌を抜け出して、4th Asia Oceania Regional Workshop on GNSS という国際会議に参加するため、マレーシアのクアラルンプールに行ってきました。この会議は、アジアオセアニア地域が、GPSに代表される衛星による位置測位システム(GNSS: Global Navigation Satellite System)の次世代衛星システムを有利に使える地理環境を持つことから、地域全体で情報を共有し、様々な利用実証試験を連携して実施していくための情報交換の場として、4年前からアジアオセアニア地域で毎年開催されていて、今回私は初めてこの会議に参加しました。

http://www.multignss.asia/jp/

衛星測位といえば、アメリカのGPSが有名ですが、このほかにもロシア(GLONASS)やEU(GALILEO)のシステムがあり、これに加えて日本(準天頂衛星システム)、中国やインドも続々と衛星を打ち上げて、これまでより精密な測位ができる環境が、特にここアジアで整いつつあります。これらを連携して利用するMulti-GNSSの時代まであと少しのところに来ているので、どう活用して、新しいニーズを引き出していくか、基礎的実験からアプリケーション開発まで幅広く紹介され議論が行われました。

私は、現在JAXAと共に試験を行っている屋内測位や、準天頂衛星「みちびき」を利用した鉄道ナビゲーションシステムの試験などを紹介しました。各国の宇宙関係機関や大学の基礎実験的な話が多い中で、衛星技術は素人のユーザーアプリケーションの取り組みとして発表したので、やや異色ながら聞いていた方には新鮮で、興味を持っていただけたようで、いろいろな質問なども頂きました。

私の実証試験事例も紹介しました

私の実証試験事例も紹介しました

日本にいると、相当田舎に行っても携帯電話が使えるのが当たり前で、何の不自由もありませんが、発展途上国の多くの国の通信インフラは、都市部を除き整備されていません。マレーシアの首都クアラルンプール中心部でも、データ通信の速度は大変遅くて、スマホのナビゲーションもなかなか上手く機能しませんでした。私たちが無意識に便利に使っているナビ機能一つとっても、各国の事情に合わせた技術のチューニングやUIの工夫が必要だなと実感しました。

一方で、今はどこの地域も地震や津波の脅威を心配しており、地上の通信インフラが寸断されても、衛星から自然災害のアラート情報(警報発出や避難誘導情報)を放送するなど、防災や人の命を守るツールとしての新しいインフラとしても期待もあり、それには国を越えたシステムの運用や政治的な連携も必要になってきます。

GPSがそうである(=軍事システムである)ように、地理情報や位置情報は国のセキュリティに関わる情報で、軍事利用が先行するのは開発の歴史であり、そこが中心となるのはやむを得ませんが、平和利用でも多くの人の命を守り、救うこともできます。せっかく開発した宇宙インフラを、狭い狭い日本だけで展開してももったいないですよね。

日本を少し離れて改めて思うのは、日本というのは本当に小さな国。ここで生み出した高い技術やノウハウを、アジアの国々にもっともっと活用できるはず、と思います。各国の技術者や研究者などの話を聞いても、10年くらい前に私たちが悩んでいた同じことを、今悩んでいる・・・。たった2日間の会議でしたが、初めて国際会議に参加して、他国の方たちの話に耳を傾け、語り合うのは実に大切という、ごくごく当たり前のことに気づいたのでありました。

それと、もっと英語をしっかり勉強しておくべきだったと改めて反省・・・。

今回“初”国際会議出席と同時に、“初”東南アジア訪問でした。
12月だというのに気温は軽く30℃を越え・・・。寒冷地仕様の私の体に、この暑さは相当コタエました。今回はホテルにカンヅメだったので、どこも観光できませんでしたが、今度はゆっくり街歩きなどしたいものです。
(機中で珍しい風景を見つけたので、皆さんにシェアしますね)

行きの機中では、フィリピン上空で間近に台風に遭遇!かなり大型でした!

行きの機中では、フィリピン上空で間近に台風に遭遇!かなり大型でした!

帰りは夜行便だったので、日本に着く間際にすばらしい日の出と朝焼けが!!

帰りは夜行便だったので、日本に着く間際にすばらしい日の出と朝焼けが!!

最後に、(年の瀬ですので)今年も一年お付き合いいただきありがとうございました。
今年ほど動き回った年は、これまでにありませんでした(笑)。昨日数えてみたら、飛行機にも100回近く乗りました(汗;)。しかしその回数だけ、行く先々でたくさんの出会いがあり、仲間もできて、新しいチャレンジもあり・・・、大変なことが多いですが、とても楽しく仕事をさせていただきました!

仕事の価値は、共に思いを共有できる仲間に支えられ、創り上げられていく。それを痛感しつつ、人とのつながりの大切さと出会えた人々への感謝を実感した一年でした。

常にワクワクと不安が背中合わせで交錯していますが、果たして来年は、どんな年に?
今年たくさん楽しめた方も、辛いことが多かった方も、2013年が皆様にとって素敵な年となりますように。

では、また来月。

ブログ執筆者執筆者:Asoo

北海道にて技術屋稼業もはや15年。鉄道システムエンジニアとして、もう少しで一人前と認められるかな?というところで、数々の壁にぶち当たり、試行錯誤を繰り返し五里霧中の日々を送る。仕事では、” Think globally, Act locally ! ” を信条としながらも、時には北海道のゆったりした空気に身を任せて「明日は明日の風が吹く」と自然体を大切にする。この「ゆるさ」が醸し出す雰囲気が、どうも私の特徴のようだ。結構切羽詰まっていながら、このように日々のほほんと過ごしている私の、鼻歌みたいな独り言をお送りします。

 

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