Episode 13:あれから1年。

Asooです。早いものでこのコラムを書かせて頂いてから一年が経ちました。
偶然ですが、私自身ここ数年の中でも、仕事の面においてこの一年は特に激しい嵐のように通り過ぎてきた感があります。

4月にJAXA(宇宙航空研究開発機構)と日本版GPSの共同開発をするという話を書きましたが、やっと今月から都内某所にてこの実験が始まりました。

ちょっと怪しげですが実験中の様子です

ちょっと怪しげですが実験中の様子です

何をするにも初めてのことであり、技術仕様の詰めや会社間調整など、打合せや予備実験などに時間と手間がかかったため、実際に実験を行うまで半年もかかってしまいました。その間東京に月に3〜4回は来ているので、プチ単身赴任のような生活になりました。(ずいぶんお金もかかっています)

そもそもこの話のきっかけは、ちょうど一年前、最初のコラムに書いた「網走監獄から宇宙の話。」の実証試験に参加したことでした。そのときはオブザーバというかなり気楽な立場でしたが、そこから「こう利用できたらいいね」と飲みながら盛り上がった気軽な雑談から構想の種が生まれ、いろいろ喋っているうちに「それならやってみるか!」とあっという間にプロジェクトを立ち上げることになりました。

その後JAXAの全面的な協力を得ることとなり、同業の鉄道系、大手メーカー、ベンチャー企業、大学と業種も規模も様々なグループが6社ほど集まり、4月にスタート。徐々に参加社が増え、参画して頂いている会社・団体は10社、50名を超え、次回からはアメリカのベンチャー企業も参加の予定です。

鉄道事業での展開という目標を置いて始めましたが、人数が多くなるに従って話も大きくなり、この日本版GPSシステムがビジネスモデルとして成立するということを実証しなくてはならないという余計な(?)使命感がほぼ大勢を占める状況になりつつあり、そういう点では大きなプレッシャーがかかります(笑←笑っている場合ではないのですが・・・)。

それだけ、屋外だけでなく屋内でも地下でも、自分の位置を知りたい、位置を知らせたいというニーズが大きいということがよくわかります。確かに位置がわかれば様々なサービスが展開できそうですよね。もしかするとその基盤技術になるかもしれない!という期待は大きいと思います。

この難解な案内板に頼らないシステムを作れるか!?

この難解な案内板に頼らないシステムを作れるか!?

新しい技術を生み出そうとするという点では非常にワクワクしますが、結果マーケットに対して有用性を示せなければ、どんなに優れた技術でもプロジェクトとしては失敗であり、この努力が全て水泡に帰するという危うさが背中合わせです。規模が大きくなるにつれ、その部分はプロジェクトをまとめる立場として、かなり“シビれる”ところではあります。

それでもやはり見たことのないものを見てみたい、作ってみたいというワクワクする思いが前に進む駆動力になっているのだと思います。
(もちろん不平不満もたくさんありますが、それはガマンガマン・・・。)

つい先日、親会社の上司と話をする機会があり、「最近どうだ?」と聞かれたので、この話などを例に持ち出して「いいテーマがあり、いい仕事ができそうです。高いモチベーションで頑張っています!」とその充実ぶりを誇張して元気良く訴えたつもりでしたが、上司は私の話を一通り聞いて、

「で、この先どう考えているの? どうなりたいの?」

「あ、そ・・・それはですね。今のプロジェクトをクリアしてその後、また改めて考えようかと・・・」

「もう40半ばなんだから、自分の生き様をそろそろ考えないとダメだよ」

そうか、忘れていた・・・訳ではないけど、私鉄道会社の技術者でしたね。でも一年前に今の自分の姿を想像できたか?と問われれば、それは絶対無理だったし、別に無理矢理仕事をアサインしているわけではなく、やるべくしてやっているのも事実。

キャリアプランを持つということは大切かもしれないけど、わからない時に無理に立てるのもどうかと思ったりします。確かに毎年の人事調書には、自分の適性や育成の方向性、目指すポジションなどを書いていますが、キャリア=ポジションという単純なものではないはずで、どういうトリガーがかかって、自分が成長できるか、またはしているかというのはなかなか想像ができません。

上司にすれば、鉄道に関わるとは言え、そこまで首を突っ込む必要があるのか、それが(次の)ポジションにどう役に立つのか。今の(出向先の)会社にずっといるわけではないわけだし、ということのようだ。

立場違えば、見方も変わる。この一年は仕事や環境、そしてつながっている人たちの影響を特にたくさん受けて、今までになく楽しく仕事をさせてもらっていますが、自分や今在籍している会社をどこまで強くしていけるか、まだまだ挑戦は続く。

一方で上司からの問いもこれはこれで重い。
この先、私はどのような生き様を考えるのだろう?

ん〜、でも今のところは「解なし」ですね。
数日前に某大学のMOT(技術経営大学院)の先生にお会いする機会があり、先生の著書に
「技術マネージャーとして大成を祈る!」と記して頂いたのですが、
「“大成”するには、未だ道険しくまだ先遠し」って感じです。

 

ブログ執筆者執筆者:Asoo

北海道にて技術屋稼業もはや15年。鉄道システムエンジニアとして、もう少しで一人前と認められるかな?というところで、数々の壁にぶち当たり、試行錯誤を繰り返し五里霧中の日々を送る。仕事では、” Think globally, Act locally ! ” を信条としながらも、時には北海道のゆったりした空気に身を任せて「明日は明日の風が吹く」と自然体を大切にする。この「ゆるさ」が醸し出す雰囲気が、どうも私の特徴のようだ。結構切羽詰まっていながら、このように日々のほほんと過ごしている私の、鼻歌みたいな独り言をお送りします。

 

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