第3回 香港はグローバルシティか?香港人はグローバル人材か?

香港はグローバルシティか?香港人はグローバル人材か?つい先日、ある地方自治体のグローバル人材育成のためのプログラムに参加した20代の若者と交流する機会があり、日本をどう国際化したら良いか?という難問を出され、改めて自分が初めて香港に降り立った時に全く同じ感覚(香港=国際都市)を持っていたことを思い出しました。

香港が相対的に見て東京よりも国際都市であるかと問われれば答えは間違いなくYesなのですが、3年間香港で生活してきた今、当初とは感覚が異なる部分もあったのでそれをまとめてみたいと思います。


1.香港は移り気な街

1-2か月も行かなかった場所を歩いていると、立ち並ぶ店がガラッと変わっていることに驚かされます。新しい店に入っても「前にあった店の方が良かったな・・・」なんてことはザラなんですが、それはともかく流行が変わりやすい。ついこの間までは日本、昨日まで韓国、今日から台湾というように食べ物、ファッションの店が軒並みに変わっていくことに驚きました。もちろん、会社立ち上げが簡単であったり、賃料が高いことも原因なのですが、消費者側の要求も同じように変わりやすいからなんだと思います。香港人は自分達を良く「忘れっぽい」と表現しますが、こんなところからも来ているかもしれません。日本人が香港で商売する際にはこの熱しやすく冷めやすい気質に気をつけた方が良いかもしれません。

2.惹きつけるのではなく、自らが変化するカメレオン

香港が同じ国際都市と言われながらNYやロンドン、パリなどと違うのは、都市としての性格を変えることで国際化してきたことです。例えばNY、ロンドンは金融センター、パリはファッション・ブランドの中心として数多くのグローバル企業を惹きつけてきており、今後もその本質を変えるつもりは無いと思います。一方で、香港は、かつてはイギリスの文化を取り入れ、60年代以降は日本、最近は中国の文化や経済成長を取り入れて国際都市として生き残っています。最近は中国の成長が鈍化した時に備えて、インドや東南アジアとのハブになるという言葉が政府からも聞こえてきています。自分達で確固たる文化を作るよりも、カメレオンのように姿を変えて行くことで成長していこうとする姿勢は、日本で唯一国際都市として認知されている東京と(良いか悪いかは別として)全く異なる点だと思います。
香港はグローバルシティか?香港人はグローバル人材か?
3.3、4ヶ国語は当たり前、資格取得も熱心

次に香港人材がグローバル人材かという点も見てみたいと思います。香港で人材募集をすると分かるのですが、英語、中国語(北京語)、中国語(広東語)を話すのは当たり前、日本語を加えても非常に多くの人が応募してきます。それだけ言葉は当たり前のように受け取られていて、「〇〇語を話せます!」ということを売りにする人すらいません。また、資格取得にも学位取得にも熱心で、仕事をしながら通うパートタイムの学位も大変人気で、香港の大学のほぼ全てが学位取得可能なプログラムを提供しています(私もパートタイムでMBAを取得しました)。そしてそれらの学位・資格を名刺に全て並べるのが香港流です。もう一つ特徴的なのは、20代、30代のうちに一つの職場に長くいることは良くないことと考えている点です。良くMBAの同級生の会話に出てくるのは「もう3年も働いているよ、そろそろだな」というもので、政府やHSBC等の超優良企業を除いたらポジションと給料のステップアップのために転職をしてしまいます。職場を変えることの是非はさておき、これはまさにグローバル化の影響を受けることを最低限に抑えるための香港人の知恵なのだと思います。

4.仕事は効率的、思いっきり余暇を楽しむ香港人

平日に友達に会って「忙しい?」と聞くといつも答えは「めちゃくちゃ忙しい!」、「何時位まで働いているの?」「遅いよ、昨日なんか8時になった」というのが香港人との会話です。もちろん投資銀行業務やコンサルタントをやっているような人は例外的に深夜まで働く人もいるでしょうが、香港人は必死に早く仕事を片付けようと努力します。有力企業に働く香港人の多くが平日夜のパートタイムの授業に出ることが出来る点もそれを裏付けています。この効率性は日本人も見習わないといけないと思います。
休暇になれば、人口700万人の香港人の50万人以上の人が日本を訪れています。どこに行くのか聞いても自分も知らないような旅館やレストランの名前が出てきて最初はびっくりしました。少しでもまとまった休暇が出来れば海外旅行に行って遊び、普通の週末も友達や家族で集まって、日本人からしたらまるでケンカしていると勘違いしそうな大きな声でわいわいと会話しながら飲茶や各国料理を食べるのが香港人。こんな生き方が男性長寿世界1位(女性は日本に次いで2位)のゆえんでしょうか。

香港は、昔日本がバブル時代に海外旅行先として栄えましたが、今は様変わりしています。今後はこのカメレオン的性格が日本のビジネスやビジネスパーソンに取っても参考になるのではないかと思います。今後とも香港に注目です!

 

ブログ執筆者執筆者:Masa

米国留学中に米国人と現地留学生の持つ開放的な感覚を目の当たりにした後、帰国した日本で閉そく感をひしひしと感じる。その後、香港に赴任して日本の存在が多方面で受け入れられていることに驚き、自信を回復。国際都市として成長した香港に住む香港人と日本人を含む外国人から学べることがあるはずと日々学習中。

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