From Hong Kong to Globe

 

◆ごあいさつ

香港在住のMasaです。現在香港には2万人以上の日本人が在留していて、1万以上の人が当地で働いています。1万人の多くは日系企業の駐在員ですが、中には日本料理屋を開業したり、旅行代理店を立ち上げたり、コンサルティング事業を立ち上げたり、起業家精神に富んだ日本人も大勢住んでいます。そんな方々を現地からご紹介していきたいと思います。

 

◆第1回
 ホープウィルグループホールディングス
 代表取締役会長 堀 明則 氏

 http://www.hopewill.com/

今回インタビューした堀さんは、商社勤務時代に香港に渡った後に、03年に30台前半で起業。海外で働く日本人のつながりを強めて、さらにビジネスチャンスを作るために和僑会という集まりがありますが、そこでも大きな役割を果たしている方です。

 

◆インタビュー内容

 

香港でビジネスを始めたきっかけはなんでしょうか?

大学在学中に中国人の国賓留学生の宿舎で餃子を囲むパーティに呼ばれて参加し、その際に日本企業が将来、中国を工場として使うようになること、中国にお金が回るようになるにつれて、消費が拡大し、通貨としての人民元が強くなり、中国国内に巨大なマーケットが誕生するので中国でビジネスをするように勧められたのがきっかけ。

 

似たような話を当時は聞いている人はたくさんいたと思うのですが、そのまま理解して聞き流してしまう人と実際に中国まで来てビジネスを始める人との違いは何だと思いますか?

学生時代からビジネスを自分で行っており(学生時代は、自分が通っていた大学が都市部から郊外に移転するに伴い、学生向けの自動車のニーズが増えることを予測して軽自動車を中心とした中古車販売ビジネスを手掛けた)ニーズと供給のギャップの間に身を置くと自然にビジネスが出来あがることは自分でも理解していた。もともと起業やビジネスに興味があったことは大きい。日本は中間層が肥大化していて、新たなニーズやそこに生じるギャップが見えにくくなっており、ビジネスチャンスを見つけるのは非常に難しくなっている。香港をはじめとする新興国では、そのチャンスがそこら辺に転がっている。

 

香港と日本でビジネスをした経験から、日本と世界のビジネスでは最も大きな違いをどこに感じますか?

香港は中国語(北京語、広東語)、英語、日本語の多言語オフィス環境という意味では大きく異なるし、結論が先に来るという点や、日本のような「阿吽の呼吸」というものが存在せず、何でもいちいち確認しないといけないという点は異なる。この点はその違いを理解し、受け止める力は必要になる。たとえば、よく日本のビジネスマンは「中国人に騙された」という表現を使うが、本当にそうなのかということについてしっかり検証する必要があると思う。

 

だまされたのではなく、実際には文化の違いから問題が起きたということでしょうか?もう少し具体的に教えていただけますか?

恐らく、中国人に騙されたと感じている日本人の多くは、日本の文化モデル(阿吽の呼吸、終身雇用モデルに基づく社員の忠誠)や言語をそのまま現地にインストールしようとしているのではないだろうか。ある意味、現地でのすり合わせがあまかったと言える。直前でビジネスを他社に持って行かれたり、社員教育をした後に転職されてしまう等の問題に対応するためには、(転職対策については)トップの社員が辞めたくなくなるような仕組み、トップ10%以外の社員が入れ替わっても問題なくオペレーションができるような仕組みを導入する必要がある。
また、現地でローカルの社員と人間関係を築くには3~4年の典型的日本企業の駐在期間では短すぎる。欧米での駐在は3-4年で良いのかもしれないが、アジアのローカルスタッフは数年で帰ってしまう人間には腹を割って相談をしない。10~20年いると分かれば、本気で相談を持ちかけてくる。

 

ご自身の体験から、(中国人を含む)外国人と日本人がビジネスを成功させるための重要な要素は何だと思いますか?

現在でも続いているビジネスであるが、中国人1名、香港人1名と合計3名でモジュールデバイス製造のビジネスを立ち上げた際に強く感じたことがある。そのデバイスには機械的要素と電気的要素の両方が不可欠であり、パートナーの中国人は複雑な金型に強く、自分は新素材や電気の方面に強かった。最終的にビジネスがうまくいったのは、お互いが持っていないものをそれぞれが持っており、相手に一目置かせることができたというのが一番大きいと感じている。

 

現地でマネジメントを任される最ためにも重要な要素は何だと思いますか?

問題解決能力。問題を見つけ出し、更にイニシアティブをとって解決できる能力のある人間を尊敬しない民族はいないと思う。現地の言語ができることはプラスであるし、コストの意味でも(通訳を雇わなくてよい分)負担は減るが、問題解決能力に比較すれば重要で
はない。
ビジネスの多くが火消しに追われる「対応」であり、「対策」を練ることができる人間は少ない。海外でマネージャを務めるとなればなおさら文化的なギャップから様々な問題が生じることになる。このような問題に直面した際に、仕組みを作りだして対策を練ることができる問題解決能力が海外で活躍するカギであり、実はそれは経営者にとって不可欠な要素でもある。

 

どうやったらその能力を鍛えることができると思いますか?

まずは現地のマネージャにその権限を与える必要がある。自分は10を超える会社を現在経営しているが、いずれもマネージャに決定権限を委譲し、自分が責任を取るという体制をとっている。毎回本社に意思決定を確認しなくてはいけないのでは時間がかかり過ぎるし、問題解決能力も養われない。また、(どうせ本社が決めると分かってきたら)マネージャの決定に現地のスタッフが従わなくなってしまう。駐在期間を長くして腰を据えて問題に与える環境を与えることも当然重要。

 

堀さんのここ3-5年の夢は?

1年に2つずつ会社を立ち上げ、2名の経営者を生むこと。それが今の自分の使命と感じている。

 

◆インタビュー後記

堀さんは私が香港への駐在が決まる前から、その活躍を人づてに聞いていましたが、実は今回初めてお会いすることができました。実際に会ってみると、インタビュー慣れしていない私にも親切に対応してくださいましたし、エネルギーレベルが高く、相手を引きつける魅力に溢れた人でした。文章でその雰囲気をお伝えすることが難しいのですが、これも成功する方に共通したところかもしれません。

 

ブログ執筆者執筆者:Masa

米国留学中に米国人と現地留学生の持つ開放的な感覚を目の当たりにした後、帰国した日本で閉そく感をひしひしと感じる。その後、香港に赴任して日本の存在が多方面で受け入れられていることに驚き、自信を回復。国際都市として成長した香港に住む香港人と日本人を含む外国人から学べることがあるはずと日々学習中。

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From Hong Kong to Globe への1件のフィードバック

  1. 堀口 卓志 のコメント:

    香港の堀社長・・・ドラゴン堀口としては他人じゃないような親近感を憶えます。いつかお目にかかりたいですね。

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