『自分はこう思っている』って、言っておいて

こんにちは。Alexです。

シンガポールに来てからの日々を振り返ると、私はグローバル人材としてのキャリアを積むこともなければ出世することもなく、いわゆる鳴かず飛ばずに踏んだり蹴ったり…で7年が終わろうとしています。

「桃栗三年柿八年」と申しますが、Alexは実がなるまで8年かかる柿タイプなのかもしれません。
・・・・・・ってことは、今度こそ実がなる年か!
・・・と意味なく前向きになれるアホさは、「柚子の大バカ18年」の素質も兼ね備えているのかもしれません。

さて、実生活はといえば・・・・・
最近は調子が上がってきている気がします。飲食の新規出店に携わり、自分の勘を働かせて取り組んだことにお客様がついてきてくださり、チームがまとまり、売上が上がりつつあり、そろそろ損益分岐点を超える・・・というところまでやってくるのに3か月半。客様が増えていく手ごたえに更なる業績の伸びしろを感じています。そういう意味で、会社を立ち上げて運営を安定させるまでの創業時期からシフトアップしていく、ちょうど面白くなってきた局面です。

新事業の立ち上げ、運営を得意とする私としては、自分のブランドじゃないところが、ちょっと残念ですが、黙々と業務に向かうことで、将来に役立つ素地ができると信じ、恰好悪い仕事ですが頑張っています。毎日仕事をしていて「居心地が良い」と思えるくらい、自分の裁量があるところが何よりの財産です。

ようやく自分の強みも言えるようになってきました。
現地での会社の立ち上げや、ビジネスを安定させ、伸ばしていくこと。コンサルと称する調整業務だけでなく、現業もできることが強味です。フロントラインもバックオフィスも商品開発もマーケティングも網羅するオールラウンダー。リーダーシップもあるほう。フリーランスになっても、自分にできることがある、という自信も出てきました。同時に、シンガポール進出を考える方にお話しできることも増えてきました。

お話しできることと言えば・・・・
今までも、知り合いから頼まれて、「僕の知り合いがシンガポールに行くから、現地の情報を教えてほしい」と、お目にかかりました。

・・・・・・でもね。

大抵は、何がしたいのかよくわからない質問と、不躾な質問が混同する偵察隊との面談は、Alex自身にはあまりメリットもないまま2~3時間を費やし、その上、「XXXさんのご紹介だから」と珈琲や食事を善意で(流れで)ご馳走し、そしてお礼にお菓子1箱、または手ぶら・・・・・っていうことが多いんですよね。

情報を発信するだけ発信して、あんまり自分は楽しくない時があるんです。もちろん私はいつも「もしかして面白い出会いかもしれないし」という期待もあるので、頼まれたら断らないのですが・・・・・・。

そうだ!この際、Alexと同じことを考えている数多くの海外生活者に代わって、世間に呼びかけをしてみよう。

海外進出を考えて、誰かの知り合いを訪ねて情報収集する皆様方。誰かのツテでメールで問い合わせをしたり、直接お会いされる場合、その相手に対して、もう少し配慮してもいいかもしれません。
「現地にいる知り合い」、というだけで、全く知らない人たちが頼ってくる・・・時には、おんぶにだっこ・・・ってことが、承る側には結構多いものです。特に、メールで問い合わせがくる場合は、結構一方的、五月雨式に聞かれて(初めてだと、焦点があまり合っていないので)、返す側はちょっと大変に思っているかもしれません。
知らない人に問い合わせをする場合は、やはり、作法を心得たやりとりをして頂ければ・・・と願ってやみません。

ああ、すみません。やっぱりいつも通り、話が逸れてしまいました。
さて、最近は交渉ごとや会社間の調整、揉め事の仲介をする役割が増えているAlex。本日は、そんな場面で何度も直面した、日本人のコミュニケーションパターンをご紹介しようと思います。

日系企業が現地の人(会社)とやりとりしている時。問題があってローカル会社に腹を立てた日系会社の方から「『あいつら、いい加減にしろ。そもそも謝罪もないってどういうことだよ?』って、言っておいて」・・・・と言われることがあります。(すごい頻度で、そう言われます)。

この状況で、ビデオを一旦停止して、解説いたします。

こういう場合、通訳をする人は、少し勘どころを心得なくてはなりません。
というのは、ローカルの相手方に「まずは謝罪をするべきだ」と直訳しても、日本人が欲しいものは決して手に入らないからです。

シンガポールでは、
「謝るだけでいいんだね、はい、ごめんなさい」
とあっさり言われて、その上、
「あんたが言う通りに謝ったじゃん。まだ何か問題でも?」
と言われます。

これがシンガポール。基本的に、コトバの裏(相手の想い)は、あまり読みません。
まるで契約書のようなシンガポールのコミュニケーション。

一方、日本人は、謝ってもらった上で、何か償いが提案されることを(無言のうちに)期待しています。だから、自分が言った言葉の通りにちゃんと謝ってくれた相手に対して、「本気で謝っていない(これで許して下さい、という提案がない)と益々怒り出し厄介なことになります。

どっぷりシンガポールに浸かってきた私から見ると、日本人に手落ちがある気がします。
「あなたの不満を解消する妥協点をちゃんと伝えず、相手から提案が来るのを期待するのは時間の無駄ですよ。『俺がこう思っていることだけ伝えてくれ』と言ったところで、あなたの心の中では何を求めていますか?」と申し上げたい。

何か不満があって、暗礁に乗り上げても、常に状況を前に進め打開策を見つける、柔軟で実務的なシンガポールスタイル。ですから、何か問題があったならば、「これで自分は納得できる」という妥協点をきちんと示してから、文句を言うのが、シンガポール的にうまく仕事を進めるコツかな?と思います。

最近は、数社入り乱れる面倒な交渉の調整役にもなっており、シンガポール的な仕事の進め方に「ひどいなぁ」と「すごいなぁ」と思う日々を送っておりますが、日本人は交渉(コミュニケーション)のスキルが、あまり得意ではない気がするのです。
・・・そんなことを言う私も、決して上手ではないので、色んな修羅場をくぐりながら日々学んでおります。

それでは皆様、また来月お会いいたしましょう。
本文と全く関係ないですが、最近異国情緒あふれて気に入っているリトルインディア駅の構内広告。 宝飾店の広告も、こちらの人の心を掴むべく、ギラギラです。

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ブログ執筆者執筆者:Alex

旧『シンガポール日記』を執筆。仕事運だけは悪かったシンガポール生活も5年目。30代後半で「食」への関心が高い自分にようやく気づき、我に返ってシンガポール系の食産業に就職。5年目の本気(たぶん)。ピンとくる人を探し続け数年。今の社長に「あ、この人だ」と感じたことが、今までの職場と違うところ。ここで芽を出すつもりで邁進中。
これがなければ生きていけないもの:米、醤油、旦那、チリ(順不同)

 

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