グループチャットにご用心

こんにちは。Alexです。 この数年は、日本の飲食店がシンガポールに出店する件数が増えています。円滑に業務が流れるまでは時間がかかりますが、飲食店の開店、特に最初の1店舗目は、およそ3か月程度はかかるような気がします。 苦労する点はそれぞれですが、たとえば社内外の関係性が要因となるケースなどは、創業期(?)のドタバタでよくあるようです。社外で言えば、コンサルタント、エージェント、業者など。社内では、本社と現地、部門間、または現地スタッフ間など、それぞれが自分の利益を主張し始めてこじれるパターンがあります。 今までは、Alexも頑張りすぎて、いろいろなことに巻き込まれていったので、最近は疲れ切っており、プロとして(?)自分の仕事や成果を上げることに集中し、揉め事の当該者にならないように気を付けております。最後に一刀両断にする役割もあるので、罵倒や返り血を浴びることもありますが・・・。 さて、今回は、シンガポール人スタッフが、職場でのグループチャットを不健全に活用し、不健康なグループになってしまった事例をご紹介させていただきます。 シンガポールでは、スタッフの職場での流動性が高く(とりわけサービス業では)、誰かと口論したあと「トイレに行ってくる」と言って店を出てそのまま帰ってこないヤカラも結構います。業務態度が悪いスタッフ、たとえば、業務中に携帯ばかり触っているとか、おしゃべりが過ぎてお客様を全く見ていないとか・・・・その場で注意すると翌日から来ないこともしばしば。しばらく無断欠勤した後で、退職届がショートメールで届いたりします。ガッカリするエネルギーも無駄なので、きちんとした人に出会えるまでは、一人一人に思い入れを持たないようにしたほうが無難です。 話は飛びますが、シンガポールはスマートフォンの浸透率は、日本より高いらしいです。ここは、毎月の給料が約10万円の人ですら、5万円もするiPhoneを持っているワンダーランド。ご飯もろくに食べずに、お金をためて携帯を買っているのではないか?と疑うこともしばしば。 携帯本体の値段は高いですが、そこで力を発揮するのが、ウェブベースの無料ビデオ通話、音声通話、チャットなどが使えるアプリケーション。日本で有名なLINEをはじめとし、シンガポールで利用率が高いWhats App。そして、スカイプやViberもあります。無料通話アプリケーションを使える・・・という総合力から考えれば、スマートフォンの購入費が大きくても、結果として節約できているのかもしれません。 業務でも無料チャットをよく使っています。日本だと、「業務に使うには、安全性が・・・」と心配する声がありそうですが、シンガポールではおかまいなし。個人情報の取り扱いや守秘義務などの扱いは、日本よりもゆるやかなステージにいるようです。いずれにせよ、チャットを業務連絡で健全に使っている分には良いのです。ただ、グループチャットでスタッフが会社の悪口を言はじめるなどしたら、要注意。 alex_26_001今回の中心人物は、元店長。ワガママで1か月そこそこで退職したにもかかわらず、なぜか退職後も我が物顔で店内に入りびたり、ひとり、またひとりと業務中のスタッフを連れ出しては個人的に話をするなど、「何の権限があってそんなことしているの?」という行為が続けられています。最初のうちは、「別れの挨拶もままならなかったのかな?」と放っておきましたが、次第に、採用した新店長やほかのスタッフの悪口など、陰湿で悪質なコミュニケーションハブになっていることが発覚しました。気が付いたのは、やたらと勤務態度が悪いスタッフが、やけにかばい合ったりするので、おかしいな?と気づいたのです。探りを入れてみると、中途半端に善意を持っているスタッフのグループチャットが、元店長の退職後もアクティブであることや、その内容が陰口になっていることなど、口を割ったのでした。

さて。どうするか。

直接的な被害が発覚していないうちは店に出入りしても、「もう新しい店長もいることだし、あなたが来るべき場所ではない」と察してくれるだろう・・・と流しておいたのですが。むしろ、「どこにも居場所がない、可哀想な人なんだな~」と思っていたくらい。というのも、回りまわって、次の職場では契約条項を吟味した挙句に出勤せず、さらに次の店では1か月たたずに退職(クビ)・・・という噂を聞いていたから。 ところが、Alexがかかわっているお店では、店長としてスタッフたちの中心で影響力を持てたことや、退職してもグループチャットで事情通になれたことで、何か錯覚したらしい。突然、「スタッフAの行動がなっていない」とか「マネジメントに対して変更したほうがいいこと」とか、告げ口のような、干渉のようなメッセージを送ってくるようになった。マネジメントの誰もが、元店長を好ましく思っていないにもかかわらず、「スタッフに慕われている私が『あなたの会社に戻りたい』って言ったら、喜んで迎えてくれる?」と、トンチンカンなメッセージまで届くようになった。

本当に来て欲しくないし・・・・・。

というわけで、緩やかに彼らのグループチャットを、逆利用することにした。直接本人に返事をせず、元店長の子飼いスタッフに「前の店長は、仕事に間違いも多くて、それを隠すから大変困った。マネジメントは、誰もが新しい店長の下で新体制を築きたいと思っている。前店長の戻る場所はは、もうここにはない。」と打ち明けた。きっと本人に話が通じるだろうし、人から聞いたほうが、衝撃が大きいはずだ。 その後、さすがに少しショックだったのか、ピタッと店には現れなくなった。 ところが・・・・1か月ほどで、また仕事を失ったご本人。性懲りもなく店に現れるようになった。そして、ついに、彼女の指示で業務上の機密書類が子飼いに盗まれる事件が発覚した。 「権限を越えている。なぜ、こんなことをした?」と問いただした時に、子飼いが「前店長の指示だ」と悪びれることもなく告白したことが逆鱗に触た。これはもう、戦いだ。(しかも、くだらない戦いだ) すぐさま、私は最後の一撃を振り下ろした。 前店長に電話をする。「xxの件について、今のスタッフに指示を出していることに迷惑をしている。何の権限もないのだし、あなたが店に出入りすることも、好ましくない。店は出入り禁止。金輪際、一切この会社にかかわることを断る」と伝える。 「はぁ!?」と大げさな声をあげて。「自分ほど、この店のことを考えている人はいない。」と演説を始める。そして長々と一人で喋った後に「でも、あんたがそう言うなら、二度と関わらないから」と吐き捨てて、ガチャン、と切られた。 alex_26_002Alexにとって、こんな罵倒や失礼な態度の返り血を浴びることは、もう屁でもない。シンガポールに来てから、ずっと嫌な目に合いつづけて強くなりました。「二度とこの会社に関わらない」というセリフを本人から引き出せた最大の収穫に、小さくガッツポーズ。 次の手は、元店長が間接的に嫌がらせをさせるであろう、残っている子飼いスタッフを一掃する。もちろん、きちんと仕事をしてくれるスタッフは残す。ただ、グループ化されて、無駄な社内の意地悪に時間を費やすようなスタッフは、こちらも必要がない。 元店長の激しい電話の直後、彼らのグループチャットを再び逆利用することにした。 あえて、マネジメントに送るメッセージの宛先に、子飼いを一人加えて『マネジメントチームへ。 前店長は深刻な違反をもたらしたため、今後店舗への出入り禁止。今後、新店長の下でひとつのチームとして運営します。もし、前店長との関わりが発覚したスタッフは、同様に当社に危害をもたらすものとみなします。』とメッセージを送信した。 案の定、厳しい文章の通告メールは子飼いの一人を「私のことはいらないってこと?」と混乱させた。そして、元店長グループのチャットに流れたようだった。程なく一人、また一人と、子飼いたちから続けざまに退職届が出てきた。前店長は、一斉にスタッフを辞めさせて、人手不足で困らせようという魂胆。・・・・・本当に、元店長は、何をしたいのかよくわからない。これによって、あなたが得るものは、いったい何?と言いたくもなるけれど、そっちが戦いたいなら、こちらも手を緩めない。 Alexと新しい店長は、固く約束している。「一時的に人手不足で苦労するかもしれないけれど、新店長のチームを作るために、あなたと一緒に働かない人は一掃し、新しい人を採用する」と。 私たちは、約束を守った。 退職届を出した後の子飼いスタッフ達は、連続する無断欠勤など、さらに見境なく迷惑をかけてきた。必要であれば、人事規定に基づき解雇した。結局、開店当時からのスタッフで、新チームでも力を発揮できる2人だけ残して、あとは一掃した。 新規採用は少し慎重になり、肌合いが合う人、地味でも真面目な人を集めている。まだ人数が足りないので採用は続けているものの、人数が少ないはずなのに、パフォーマンスはぐっと上がった。店の評判も出だしは上々。売上もようやく少しずつ上がってきた。やっと、店の運営の将来を語り合えるくらい、チームの未来が見えてきた。食べ物にかかわるお仕事は、本当に楽しいなぁ、と思える時間を今は楽しんでいる。 そして、気づけば、開店して4か月目に入っていた。 それにしても、ちょっと考えてしまう。 元店長は、コロコロと仕事を変わるほどなので、本人に信用もなければお金もない。母親が白内障の手術をするので、1000ドル貸してくれ、と私に言ってきたくらい、お金がないばずだ。39歳で、8万円の現金が手元にない・・・・って、どこまでの困り具合なんだろう?たとえ子飼いにどんなに立派なことを言ったところで、自分の言いなりになって職を失ったスタッフを雇い入れるパワーも受け皿もない。逆に、従った子飼いたちは?流れに乗って、面白がって嫌がらせをしているけれど、口車に乗せられたまま仕事までなくして、辞めた後もブラブラしていて、Happyなんだろうか?可哀想に・・・・。もうちょっと、善悪の区別とか、なにがあるべき姿とか、よく考えられる大人になってほしいな、と思ってしまう。彼らはだいたい20代前半だ。 ・・・・というわけで、今回は、グループチャットで職場に今どきな意地悪グループができてしまった稚拙なイジメ体験。彼らがやっていることは「アホくさー」と思うけれど、現場ではあらゆる問題を解決していかなくてなりません。彼らの一派が去ったこの会社は、今、ようやくスタートラインに立てた希望が見えます。シンガポールには、たとえ若くても、真面目で良い人もいて、仕事も頑張ってくれたり、楽しく工夫をしてくれます。小さな職場の言い争いは、何人かが間に入って、まぁまぁ・・と冗談を交えて解決できる関係。明らかに、働きやすい職場になってきました。たとえ、この関係が永遠ではないとしても、これから売上を伸ばしていくのが楽しみです。 今回も、長い文章になってしまいました。 最後になりますが、私はグループチャットはあんまり好きではありません。うるさく感じてね・・・・^^; それでは皆様、また来月お会いいたしましょう。 (写真と本文は、直接の関係はありません)    

ブログ執筆者執筆者:Alex

旧『シンガポール日記』を執筆。仕事運だけは悪かったシンガポール生活も5年目。30代後半で「食」への関心が高い自分にようやく気づき、我に返ってシンガポール系の食産業に就職。5年目の本気(たぶん)。ピンとくる人を探し続け数年。今の社長に「あ、この人だ」と感じたことが、今までの職場と違うところ。ここで芽を出すつもりで邁進中。 これがなければ生きていけないもの:米、醤油、旦那、チリ(順不同)   シリーズ : No Rice No Life (ノーライス・ノーライフ) 記事一覧へ

 


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